考えすぎを手放す空間
考えすぎを手放す空間
古くから伝わる日本の美意識が詰まった「能楽」は、実は現代の私たちにこそ響く魅力に満ちています。
子どもの頃、学校の授業で狂言に触れた方もいるかもしれませんが、能楽全体への関心は、残念ながらまだ低いのが現状かもしれません。
教科書に能楽が7ページも載る時代になりましたが、西洋の音楽と比べて、和楽器の持ち方一つとっても、「難しそう」「縁遠い」と感じる方が多いのではないでしょうか。
特に⭕️昭和世代にとって、能楽は「敷居が高い」という言葉の象徴のように捉えられてきました。
(ちなみに、「敷居が高い」は本来、借金などで店に行きにくいような「後ろめたい気持ち」を表す言葉でした。)
ですが、能楽の舞台は、最小限の演出だからこそ、見る人それぞれの想像力をかき立て、深い感情や情景を映し出す「余白の美学」があります。
考えすぎ、理解しようを手放し、ただ美しい装束や、研ぎ澄まされた舞、独特な音楽に身を委ねてみてください。
ストーリーを完璧に理解しなくても、何かを感じる、その体験こそが能楽の醍醐味です。
それは、忙しい現代だからこそ、自分自身と静かに向き合う贅沢な時間になるはずです。
「敷居が高い」なんて古い合言葉はもう捨てて、700年の時を超えて伝わる日本最古の舞台芸術に、ぜひ一度触れてみませんか。
あなたの心に響く、新しい世界が能楽堂で待っています。
考えすぎを手放したい方には特に能楽堂はおすすめです。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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