挨拶をしろとはいえず困ってる礼儀で悩む人の一冊
目次
礼儀のことは上からと思われがち
ごきげんよう! 森澤勇司です。
礼儀作法は大事なことです。それでも、大人になってから敬語が使えない、初対面の人にため口でしゃべる、挨拶が出来ないなど、みために似合わず「えっ」と驚くこともしばしばあります。
稽古に通ってきている小学生ならまだしも、大人にはなかなか「挨拶した方がいいですよ」といえるものではありません。人間関係の悩みを抱えている人もこの挨拶なくいきなり本題に入る方が多いように感じていました。
この一文は一冊の価値がある
この本は久しぶりに強い印象の本でした。骨があるというのでしょうかブレない芯が通った感じがする一冊です。
礼儀正しくすることとは、ある面の自分らしさを抑えながら、別の面の自分を出すことではないでしょうか。
名文がたくさんありますが、特にこの一文が心に残りました。
気持ちよく伝えられるようになりました
いままでも礼儀や挨拶というのはなんとなく強制しているような感じがしていました。相手に対してのメリットも明確には示していませんでした。「区切りがつく」とか「時間管理ができる」ということ「徳が高まる」というような漠然とした哲学的な事でしかお伝えしていませんでした。これからはこの「別な面を出すため」これはいい一言です。
礼儀に対して後ろめたさを持たない人を増やす
このくらい明確なメッセージがあるのは有り難いことです。なにより周りの人の挨拶が気になるというのは自分が挨拶について考える時期だというサインです。人の挨拶にイライラしているときはその人の挨拶が問題ではありません。無礼に見えても自分のイライラとは実は関係ないことです。相手が挨拶をしない、このことと自分がイライラすることを結びつけることはありません。
その人は挨拶しなかった。私の気持ちには影響させなければすむことです。自分らしさというのはパーッと騒ぐことではありません。自分の生き方の姿勢ですね。コンクリートも型に入れなければ形になりません。
生き方の型は自分の理想、その中に形のない自分を入れていくことが礼儀正しさという表現になります。そして何より能楽の小鼓ではどんなに稽古しても挨拶のレベル以上には上達しないような気がしています。
挨拶は日常生活で、道具を持たずに出来る素晴らしい稽古でもあります。
理想の能楽生活を楽しんでいきましょう!!
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