日本語の磨きかた

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朝活読書 vol.127  2011年1月19日配信

『日本語の磨きかた』

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◆《1》今日の一言

◆《2》今日の一冊

◆《3》編集後記

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◆〈1〉今日の一言 #127
 
 「伝わる?」

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◆〈2〉今日の一冊

『日本語の磨きかた』

林 望 著

PHP新書
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著者 林望さんは1959年生まれ。
ケンブリッジ大学教授、東京藝術大学助教授を歴任しています。

身の丈に合った言葉、美しい日本語の
表現について語った一冊です。

特に印象に残ったところは
「戦後の軽はずみな国語改革というものが、
一面においては明らかに伝統の破壊、文化の連続性の阻害を生んだことは間違いない。」
という一文です。

昨今は福沢諭吉や夏目漱石までも
現代語訳になってしまうご時世です。

著者は変化してゆく日本語には柔軟な
考えを持っています。

ただ美しくない言葉やバックボーンに
合わない言葉に対してはかなり
厳しい意見で切り捨てます。

日本語の正誤というよりは、
言葉の美醜のセンスを磨くための
「ものさし」になる本だと思います。

ぜひ読んでください。
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◆〈2〉編集後記

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今日もありがとうございます。
森澤勇司です。

「学校の国語は古文だけを教える」
というのが著者の理想だそうです。

今では福沢諭吉や夏目漱石といった
明治のベストセラーが”現代語訳”されて
出版されています。

もうすでに古文です。

江戸時代の本も瓦版もすでに
万葉集や日本書紀と同じように
原文の字を読むことのできない
時代になっています。

活字の弊害は大きく、自国の書物が
翻訳でしか読めないというのは
文化の連続性の崩壊です。

新暦の導入時に季節や時間の概念も
変わってしまい日本が一人の人だと
すると完全に記憶喪失状態です。

古典を読むには季節感が大切です。
大切以前に季節感なくして古典を
読むことは不可能です。

無理な理想論を居酒屋で語るよりは
飲み代で旧暦カレンダー購入し
教室に張るなんて事をしてくれる
教員の方が増えることを切望します。

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日本語の磨きかた (PHP新書)/林 望

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓