〈対話〉のない社会
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あなたもできる!朝活読書。
vol.249 2011年5月21日配信
『〈対話〉のない社会』
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▼《1》今日の一言
▼《2》今日の一冊
▼《3》編集後記
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▼〈1〉今日の一言 #249
「あなたにとって対話とは?」
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▼〈2〉今日の一冊
『〈対話〉のない社会』
中島 義道 著
PHP新書
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著者 中島義道さんは1946年生まれ。
電気通信大学教授の哲学博士です。
教師が語りかけても沈黙を続ける生徒、
街中にあふれる「ああしましょう、
こうしてはいけません」という放送や
看板など日本人が対話を避ける
理由を考察しています。
思いやり、やさしさの裏に潜む暴力など
現代日本の精神性を語っています。
●この本を一言でいうと
「まとも」です。
●おすすめのポイント
利休が子に命じた掃除の話が紹介されています。
全て綺麗にした庭に枝を揺らし葉を落とす。
秀吉に百輪の朝顔が見たいと言われた利休が
朝顔の花を全部切り落としてしまう話などを例に
言語の裏を読む社会性は目の前に有る
現象の軽視であると説いています。
日本人好みの逸話、伝説、武勇伝には
有りがちなお話です。
ある新聞に東海道線のアナウンスに
ついて投稿した心優しい老婦人の
やさしさの裏に潜む暴力とはどういう事なのか。
普段、思いつかないような斬新な視点を
与えてくれる刺激的な一冊です。
ぜひ読んでください。
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▼〈2〉編集後記
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今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
聞いていると良い話なのになんとなく
スッキリしない感じという感覚を
持ったことはないでしょうか。
席を譲ったとか、荷物を持ってあげたなど
もその一種かもしれません。
「勝手にしろ」というと「してはいけない」
「キライ」というと「好き」だったり
言葉の裏を読む会話は確かに
目の前にある言語の軽視という物の見方も
出来るのですね。
全く考えたことが有りませんでした。
ディベートや会話とは違い
対話とは格闘技であると著者は語っています。
肯定、否定の言葉は人を活かしたり殺したり
することが有ります。
それに対して言葉は無力だという意見もあります。
さてさて言葉の定義もしなければ
話がかみ合わなくなっていきますね。
「あなたにとって対話とは?」
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