完全加害者の世界 零戦の会ガンカメラ上映会
目次
ガンカメラ上映会
森澤勇司です。「零戦の会」主催のガンカメラ上映会に参加してきました。ガンカメラは米軍の戦闘機についていた専科報告用の記録カメラです。いまのドライブレコーダーのような感じですが、常に稼働しているわけではなくパイロットが記録が必要だと感じたときに稼働させるものだそうです。前回は新橋の地下上映室だったのでかなり特殊な雰囲気でしたが、今回は場所もお台場ユナイテッドシネマになり一般の映画上映と違和感のない会場になりました。
新橋からゆりかもめでお台場にユナイテッドシネマはお台場海浜公園駅が手前ですがお台場で下車し自由の女神のところでチケット撮影。
会場について
インターネットで座席指定ができるので最前列にしてみました。前方には会員の方が収集保存されている冷戦の銃器が展示されていました。
上映リストと解説が有るので助かります。記録映像は無音ですし映像も鮮明ではないので解説なかったら特殊な知識が有る方以外はぼやっと何か動いているようにしか見えないかもしれません。
そんな中でも「この世界の片隅に」にまさに登場する呉の爆撃も記録されていました。
完全加害者の目線
ガンカメラというのは当然ながら、銃器を発射するときに稼働するものですから完全に加害者目線です。能楽では被害者が加害者の演技をする曲が多数あります。自分が見た世界を再現する。そういう意味では完全に加害者の目線の映像というのは現代日本人は犯罪をおかした実行犯以外ほぼ目にすることはありません。1年くらい前から祝詞、経典、聖書などをよく読むようになりませいた。そのせいか完全な加害者の目線というのはカメラの先にいる被害者以上に救いのない世界だと感じました。
また、最後に追加で日本の報道映像が上映されました。日本の戦闘機が出動してから帰還し黒板に69機撃墜という内容がかかれ集合写真は全員笑顔でお祝いの酒瓶をもって写っています。
ガンカメラの先にも笑顔の先にも日米どちらの味方かということではなく、映像の先には殺人というものがついています。それを肯定する人間の前提を変えてしまう戦争というものが本当の修羅道だと思います。
帰りに
帰りに能楽にも縁が深いゴジラがありました。シンゴジラも被害者、傍観者の視点で加害者目線というのは感じられませんでした。少し前に見たので記憶してないだけかもしれないのですが印象には残ってません。スターウオーズでも他の映画でも日本人は直接的な加害者目線はあまりないような気がします。いまだったらドライブレコーダーの映像が報道されることも有るので完全加害者目線というものが共有されるようになってきました。加害者個人というよりは神の視点で見た世界を記憶するのが日本人の傾向なのかもしれません。
最新記事 by 森澤勇司 (全て見る)
- 日本の成り立ちアーカイブ - 2024年6月4日
- 日本書紀 完読会 38週 感想 - 2024年4月21日
- 20240414 日本書紀完読会37週目 - 2024年4月14日
- 日本書紀 完読会 35週目 - 2024年4月14日