日本書紀 完読会 11週目 感想
スサノウ神が投影されている印象の強い場面。神話部分は天皇の御代を肯定するために作られたように思えるようになってきた。もしくは神話のまま天皇の御代ができているのか。いずれにしても神話と天皇の御代はリンクしている。
日本武尊が八岐大蛇を退治する神話、ヤマトタケルが大蛇を含めかなりの広範囲、八方とも思える国を制圧していくところもスサノウ神とリンクしている。
女装をする場面はクシナダ姫を櫛にして差している事、川上タケルの酒宴も八岐大蛇に酒を飲ませる場面、
景行天皇が日本武尊を神と思う場面は『古事記』との性格の違いが描かれる。
伊弉諾命、伊奘冉命が愛を持って天照大神をはじめとする神を産む『日本書紀』
伊弉諾命が火軻遇突智を切る『古事記』と子を恐る景行天皇と日本武尊の関係
多くの場所が神話と関連がある展開になり、神話での親兄弟の関係性が天皇の御代に色濃く反映されている。
経津主神、武甕槌神と中国平定、神武東征、崇神天皇の四道将軍、日本武尊の活躍も比喩と現実のように対応し交錯している。
おばである倭姫をたづねる場面も、鸕鷀草葺不合尊をはじめとする後世の叔姪婚の正当性につながっている。
人の世になってからは、現世で起こることは先人が手本、先人は神代が手本という構図は比較すると興味深い。
神話部分だけ切り離して語られる事が多いが天皇の御代、現世とパターンしてみると日本の中で何がよくてなにがわるいのか今に続くモラルの原点に到達する事ができる。