古事記 完読会 4週目 感想
4①ささ貝比売と蛤貝比売
②根の堅州国
③八千矛神の歌物語
④系譜
⑤少名毗古那神との国作り
⑥大年神の系譜
『日本書紀』との違いが大きい『古事記』らしいところ。幼少の時に絵本で読んでいるので馴染みのあるお話。物語は記憶していたが、改めて読んでみると『古事記』では神産巣日之命の存在がおおきい。少名毗古那神も神産巣日御祖命となっている。前出と「命」「御祖命」の表記が違うのは「御祖」は高木神という解釈が矛盾がない。表記をそのまま取るのも良いが、そもそも記紀には矛盾がないという立場で詠むのも良いかと思う。細かい言葉の違いに注目すると無樹陰は解消されるような気がしている。
ささ貝比売と蛤貝比売の章で赤猪比が出てくる、後になって登場する赤猪子との関係を連想する。過去にあった出来事のテンプレートが後世に役柄を変えて再現される構図が一貫しているように感じる。このふわっとした一致を感じさせるところが良いところ。明らかに同じとわかるような幼稚さはない。この辺りは能楽の物語の土台に『易経』の爻が使われている感覚に近いものがある。
大年神の系譜もスサノウ神と大山津見神との関わりから見ていきたい。スサノウと朝鮮半島のつながりの深さを感じさせる。
行政区分は時代によりだいぶ違う。現実の行政区分と住んでいた人々の自分の国の感覚はどんなものなのか感じてみたい。そう思っていたら12月に出雲に行くご縁ができた。物語の展開は1000年以上前から同じ表記だし、読めば記載していあること。現地の空気感も主要な場所で感じてみたい
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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