魂を飛ばして約束を守る
魂を飛ばして約束を守る
朝読んだ本に「毎日の「時差ボケを防ぐ」」という章がありました。
時差ボケ、旧暦と新暦のズレは暦ボケかと思っていたら重陽にまつわるお話を思い出しました。
『雨月物語』の重陽までに戻るという約束を守るため魂を飛ばすお話です。
丈部左門は、病に倒れた友人の赤穴宗右衛門を看病し、厚い友情を育みます。
宗右衛門は郷里の兄と母のことが気になり、一度故郷に戻ることになります。
その際、「重陽の節句(旧暦9月9日)には必ず戻ってくる」と約束を交わし、左門と別れます。
しかし、約束の日が来ても宗右衛門は現れません。左門が待つ間に、宗右衛門は故郷の兄に軟禁されてしまい、約束を果たすことができなくなってしまいます。
そこで、彼は自ら命を絶ち、魂となって約束の地である左門のもとへ向かいます。
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『雨月物語』菊花の約
「人一日に千里をゆくことあたわず。魂よく一日に千里をもゆく」と。このことわりを思ひ出てみずからに刃に伏、今夜、陰風に来たり菊花の約に赴。
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この話を左門は母親に話しますが、なぜそれがわかるのだと信じません。
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遅れます😃
ほらこれ見てよ。
みたいな感じで済んでしまいそうです。
幼少の時、家で留守番することがよくありました。
母親が13時には帰ってくると言って待ってると14時とか15時とか、、
「約束過ぎてる!!」と憤慨していたのを思い出します。
この時に自分の中には恐怖がありました。
留守番中は家にある本を片っ端から読んでいました。その中には育児本もありました。
子は親の影響を受けるいう本も読みけっこう気にしていました。
「このままでは時間の守れない大人になってしまう、、、、しかしこの環境を変える事はできない、、、」
子どもながらに留守番するたびにこうした恐怖を感じて過ごしました。
当時の母親は40歳くらい。
セミナーや講演会のとき同世代の人が「あっ子どもと約束の時間過ぎちゃった!」
とか「ちょっと待たせておいても大丈夫〜」
という声を聞くことがあり母親と同様、約束の時間に帰らない人がかなり多い事がわかりました。
大人になってからの発見💡
「そうだ時差があるんだ!!」
同じ空間にいるように見えて、母親も目の前から消えている間はある意味異次元に行っているわけです。
浦島太郎のように私の時間は1時間でも人それぞれに何時間進んでいるかは違います。
そう思うと割り切れるもので「13時に帰ってきます」と言われたら
「はいはい(+2時間⏰)」
こうした時に『雨月物語』を思い出します。
人の約束ってどこまでの重みなのか、、、
魂を飛ばすのは一度しか使えません。
日頃、時間感覚を適正にする習慣は大きな間違いを防いでくれます。
※画像はAIで生成しました。
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