たしなみは辛苦と文字をあててあるわくわくではない大人の味わい
本日は初台交差点から5分ほどの代々木能舞台に行ってきます。
庭にある能舞台なので、風も入ってくる気持ちのよい環境です。
本日の曲は「忠度」
平家の武将 平忠度の伝説です。
忠度の和歌の師 藤原俊成が編纂する千載和歌集に一首でも入れて欲しい忠度は自分の和歌を託して戦に出陣します。
忠度の希望通り一首採用されるのですが、朝廷に刃向かう平家であったために「詠み人知らず」と記載されます。
平忠度の名前を入れて欲しいという執心が現れて最後の様子を語る能です。
「さざ波や志賀の都は荒れにしを昔ながらの山桜かな」詠み人知らず
万葉集の柿本人麻呂の歌からヒントを得て詠んだそうです。
「近江の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに いにしへ思ほゆ」柿本人麻呂
ヒントというと引用かと思いますが、和歌から思い浮かぶ風景を違う言葉で表現したそうです。
和歌の世界は言葉とイメージの世界が刺激されます。
舞台に関連して、ここのところ番いの蝶が気になっています。平家の家紋が揚羽蝶ですから黒い揚羽蝶のペアは謙虚に謙虚を重ねる二重の意味を受け取りました。
紋白蝶は易経の蝶々が飛ぶ様子があります。
「泰」四爻「翩翩として富めりとせず、その隣と以にす。戒めずしてもって孚あり。」
翩翩は蝶がひらひらと飛ぶ様子。
その隣の五爻(妹を臣下に嫁がせた帝)とともにひらひらと飛び
自分の富は気にかけず、人の警戒などせずに誠意を尽くす。
こんな天啓が聞こえてきました。