日本語は天才である
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朝活読書 vol.131 2011年1月23日配信
『日本語は天才である』
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◆《1》今日の一言
◆《2》今日の一冊
◆《3》編集後記
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◆〈1〉今日の一言 #131
「日本?」
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◆〈2〉今日の一冊
『日本語は天才である』
柳瀬尚紀 著
新潮文庫
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著者 柳瀬尚紀さんは1943年生まれの
翻訳家です。
『不思議の国のアリス』
『フィネガンズ・ウェイク』などの
翻訳を手掛けています。
意味だけの訳ではなく言葉遊びの部分も
考え抜いて楽しさも翻訳できる翻訳家です。
日本語の間違えを指摘するような本が
多い中、固まってしまった言語観を
リセットできる一冊です。
“You are a full Moon.”
“You are a fool Moon.”
月が声をかけられて突然怒り出す場面だそうです。
意味はすぐ分かる単純な文章ですが、
著者は聞き間違えて怒る理由まで
注釈なく訳しました。
「されば、かの満月か」
「去れ、バカの満月」
この訳ができたときに日本語は天才だと
確信したそうです。
縦書きも横書きも漢字アルファベットまで
組み込んで文章が作れる私たちの「日本語」は
天才なのです。
「不思議の国のアリス」好きの方に
おすすめです。
「語学に堪能」
「堪能」と「たんのう」と読んでいる方
社内研修などで敬語や日本語の指導を
している方は必読の一冊です。
ぜひ読んでください。
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◆〈2〉編集後記
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今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
和製英語とかカタカナ語はもう
日本語の一部だという事に異論を
唱える方はいないと思います。
反面、ビジネス書などで紙面の多くが
カタカナ語だと抵抗が有る方も
多いのではないでしょうか。
まだ抵抗を感じるのだと思います。
では和製漢語って意識して
使っているでしょうか。
特に勉強している方以外は例を
挙げるのも難しいのではないでしょうか。
文化、民族、思想、宗教などなど
新しく作られた言葉です。
そもそも私たちの住んでいる
「日本」って正式にはどう
読むのでしょうか。
英語なら「JAPAN」です。
日本語だったら「にほん」「にっぽん」
「NIHON」「NIPPON」
法令では決まっていないそうです。
「オーストラリア」と
「オーストリア」が一文字違うだけで
まったく別な所になってしまいます。
うさぎ好きの方なら
「ホーランド」と「ポーランド」
の違いだって敏感に感じると思います。
でも「日本」の読み方は決まってないんです。
これが多彩な言語感覚を生み出す
核なのかもしれませんね。
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