ひらがなでよめばわかる日本語のふしぎ
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朝活読書 vol.133 2011年1月25日配信
『ひらがなでよめばわかる日本語のふしぎ』
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◆《1》今日の一言
◆《2》今日の一冊
◆《3》編集後記
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◆〈1〉今日の一言 #133
「あきらめますか?」
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◆〈2〉今日の一冊
『ひらがなでよめばわかる日本語のふしぎ』
中西進 著
小学館
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著者 中西進さんは1929年生まれの
国文学者です。
幅広く日本文化、日本文学の研究・
評論活動を手掛けています。
漢字で表現された外来語でなく
言葉をぜんぶ平仮名の音で考えてみよう
という一冊です。
「目」「耳」 「鼻」「歯」
「め」「みみ」「はな」「は」
それを
「芽」「実」「花」「葉」
と意味の共通性を探っていきます。
顔の中に植物の成長過程が含まれて
いる事の解釈は興味深い考え方です。
民俗学者の柳田国男さん(1875~1962)は
「どんな字を書くの」と尋ねることを
”どんな字病”となずけ警告していた
そうです。
「書く」「描く」「画く」「欠く」
「掻く」
「ひっかく」の「かく」からできた
言葉だと著者は語っています。
筆や鉛筆の無い時代、もちろん
漢字も無い時代にはこれらの文字の区別は
ありません。
紙や麦も物と一緒に輸入された
外来語だと著者は語っています。
最近では「コーヒー」や「ネクタイ」など
元々無いものは言葉ごと輸入して
しまう事は多いようです。
漢字や文字の無い時代にさかのぼって
言葉の意味や共通性を考えてゆくことは
言葉の概念を俯瞰する視点を意識させます。
抽象度を高めたい方にもお勧めします。
ぜひ読んでください。
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◆〈2〉編集後記
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今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
紙や麦を輸入した時代はいま
ハンバーガーやipadが有るよりも
生活の変化は大きかったことだと思います。
日本からも輸出されている言葉は
多いようで「柔道」や「着物」などは
外国でもそのまま「Jyudo」「Kimono」
という言葉で通っています。
さて小鼓はというと「ショルダードラム」
だとか「スモールドラム」だとか
変な英語で訳されることが多くあります。
「小鼓」は「こつづみ」と、外国でもそのままの
言葉で普及してほしいと思います。
名前ですから。
「足袋」を「ホワイトソックス」なんて
書いてある辞書もあります。
先日子ども向けのパンフレットを
見ていたら
「謡(コーラス)の節(メロディー)」
というような注釈がついていました。
どちらが日本語かわかないような
状況ですが訓読みを漢字に当て
はめていったり逆にそれを読み下したりと
かなり混乱していたのではないかと
想像しています。
こんな時には「あきらめ」ちゃだめと
いわれますが、この「あきらめる」は
もともとポジティブな意味だそうです。
「物事の状態を明らかにし、これ以上できないと
いうところでやめる」という意味だそうです。
極論すれば分子や電子レベルまで
分解してはじめて「あきらめる」
ことができるのです。
「あきらめない」は
「あきらかにしない」
になってしまいます。
頭が混乱してきますね!!(’o’)/
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ひらがなでよめばわかる日本語 (新潮文庫)/中西 進
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