岩波文庫「わらんべ草」初版本と51年ぶりの復刊を並べてみましました。 狂言方が書き残した能楽の秘伝書です。日記のようなものも多く記載されています。この本の中で今では歌舞伎や舞踊でカバーされている能の「石橋(しゃっきょう)」復活の経緯が面白いです。 この曲はかつて秘曲にしすぎて誰もできる人がいなくなるというほぼ消滅し...
理想の能楽生活 Ideal Noh Life能の曲( 2 )
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このところ人の少ないコースで朝の散歩をしています。5キロから10キロ歩けるので家の中にいるよりは体調良くなってきました。今日は空の雲がなんともいえない空気感でした。神々しいというのでしょうか。一昨日も5月16日の「石橋(しゃっきょう)」が中止になった連絡が入りました。「石橋」は節目になる曲ですから特別な思いのある曲です...
能「放下僧」に出てくる「坐禅の公案」という言葉があります。ごく簡単に言えば答えにくい難問、究極の選択のような質問です。ちょうど金閣寺・銀閣寺のご住職の著書を見つけたのでご紹介させていただきます。「人生は引き算で豊かになる」です。直接、能のことが語られているわけではありません。それでも放下僧に登場する兄弟と敵はこの禅の知...
鴎と鳩は好きな場所が違うのか棲み分けがあるのかぴったり分かれて集まってます。 能「隅田川」に同じ鳥の呼び方が変わる場面があります。 白き鳥、鴎、千鳥、都鳥 同じことでも相手に通じる言葉が必要ですね。 「隅田川と大工の言葉」https://youtu.be/Z-cBizm3g_k —————-能「隅田川」原文 シテ「...
漫画をドーンとかしてくれた方がいたので開いてみたら「恋重荷」の場面。なんだかこの能はストーカーだとか語られますが、無視されるよりはかまってもらいたい女の哀れさを重荷にして具体化されたものに感じます。あえてシテに注目させて女は作品評価でも無視されがちなツレにしたところがさらにあはれと感じました。
心にしみる能の言葉を厳選してお届けします。 「儚かりける蜉蝣の 命懸けたる程もなく」夕顔より 源氏物語の夕顔の物語です。 どんなに頑張っても時間には勝てないものです。締切を伸ばそうとする交渉よりも締切までに力を出し尽くす努力が実を結びます。 日常でも元日やクリスマス、誕生日など過ぎてしまっては価値がなくなってしまう締切...
心にしみる能の言葉を厳選してお届けします。 「ただ緩緩と侵されて眠れるが如くなり」咸陽宮より 始皇帝暗殺を描いた能です。中国の物語をそのまま引用したのではなく平家物語の中にある始皇帝暗殺の部分が能になっています。 暗殺者 荊軻が暗殺の隙きを伺っているときに女官の弾く琴の音に酔いしれて眠ったようになってしまうという場面で...
心にしみる能の言葉を厳選してお届けします。 「忝なしや師の恩 影をばいかで踏むべき」雷電より 天神様で有名な菅原道真公の霊が、恩師を訪ね世話になった昔を回想する場面の言葉です。 影と陰というのは漢字が使い分けられているというのはご存知でしょうか。 影はそのもの月影、星影、面影などそれ自体をさします。 陰は光があたる反対...