この春ばかりの花見の友【熊野】
この春ばかりの花見の友🌸
4月20日13:00開演「熊野(ゆや)」に出演します。
平家滅亡の時、平家の総指揮をした平宗盛とその愛人 熊野の物語です。
母親が病気だと知らされる熊野
母の看病のために地元に戻りたいと申し出ます。
それを許さない平宗盛。
花見は今年しかできないからと言って車に乗せて花見に出かけます。
清水寺で母親の無事を祈りつつ車を降り酒宴が始まります。
宴席で熊野が舞っている時ににわか雨が降ってくる。
そして
もう帰っていいよと伝えられて熊野は母のもとに向かう。
権力者のわがままを描くような作品ですが、、
平家滅亡の年の春
人生最後の花見🌸を熊野と過ごした平宗盛の思い出の世界です。
平家滅亡の総指揮を任される平宗盛。プレッシャーの中での花見とにわか雨がその後の平家の運命を象徴いるようにも見えます。
能舞台は桜の舞台装置が出るわけでもなく見ている人それぞれがイメージの中で桜を咲かせます。
病気の母を思う熊野、人生最後を予感している平宗盛。
無茶苦茶なことばかり提案する人にもその理由があるものです。
先日、米軍の方がいる集まりに参加してみました。Cherry blossomと書いてあります。
日本の国旗🇯🇵は源氏の白と平家の赤が共存している。
🌸の花の色が紅白の交じり合った世界に見えてきます。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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