坐禅の公案とは【放下僧】
能「放下僧」に出てくる「坐禅の公案」という言葉があります。ごく簡単に言えば答えにくい難問、究極の選択のような質問です。ちょうど金閣寺・銀閣寺のご住職の著書を見つけたのでご紹介させていただきます。
「人生は引き算で豊かになる」です。
直接、能のことが語られているわけではありません。それでも放下僧に登場する兄弟と敵はこの禅の知識があって争うわけです。
そうした登場人物の思想背景を想像するのも能楽の味わい方の一つです。どんな考えを持って言葉を発しているかを知るとどれだけの葛藤があったのか言葉の深みも感じられるようになります。
また能「藤戸」の浮洲の岩は現在京都の醍醐寺三宝院に安置されていますがそれ以前には金閣寺にあったと伝承されています。
そんないろいろな能楽の曲、というより文化全体に影響していた禅の考え方を金閣寺のご住職の著書から感じてみるのも能をみて芸術的感性を高める助けになるでしょう。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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