日本人の行動文法(ソシオグラマー)

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朝活読書 vol.138  2011年1月30日配信

『日本人の行動文法(ソシオグラマー)』

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◆《1》今日の一言

◆《2》今日の一冊

◆《3》編集後記

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◆〈1〉今日の一言 #138
 
 「おこる?」

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◆〈2〉今日の一冊

『日本人の行動文法(ソシオグラマー)』
「日本らしさ」の解体新書

東洋経済新報社
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著者 竹内靖雄さんは1935年生まれ。
成蹊大学経済学部専任講師、助教授、教授
を歴任し成蹊大学名誉教授を勤めている
経済学者です。

1月13日号「日本大文典」を
現代版にしたような一冊です。

「ふつう○○だよね」

この「ふつう○○」というような
日本人の共有感覚を文章の文法にならいい
「社会的行動の文法」ソシオグラマー
とするという定義づけから考察が
はじまります。

日本型ソシオグラマー

日本人の考え方

個人のソシオグラマー

個人対個人のソシオグラマー

個人対世間のソシオグラマー

その他

礼儀作法、友人関係、目標としての「夢」
チームワークなど日本人はどう考え
その枠から外れた考えをどう処理して
ゆくのか項目ごとに簡潔にまとめられて
います。

本書の良いところは最後の章に「結論」
としてまとめられているところです。
ここから読んでも良いと思います。

「章」「▼のついた項目」「◇」の項目が
漢数字でつけてあります。他えば
「Ⅳ章 ▼二つ目 ◇一つ目」だったら

「四・二・一」というナンバリングが
すべてのページについているので
ノートに写すときに便利です。

『教育サービス供給機関としての学校は、
教師をメンバーとする組織である。
生徒・学生はこの組織の一員ではなく、
この組織からサービスを購入する
顧客であるに過ぎない。
大学などを教授や学生からなる
「学問共同体」のように考えるのは
まったく根拠のないことである。』

ほぼ全編にわたって上記のような
文体なので、
情緒から離れられない方には
お勧めではありません。

真面目な学術書ですが
アンブローズ・ビアス著
「悪魔の辞典」のような感覚で
読むと楽しく読めると思います。

ディベートや会議で言葉の定義をする
参考にもなります。

外国人と接することのある方には
特におすすめです。

ぜひ読んでください。
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◆〈2〉編集後記

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今日もありがとうございます。
森澤勇司です。

人の良い所だけ見るなんて
なかなかできることではありません。
色がついてたら見分けやすくて便利です。

しかし
自由を感じるためには必要な手段の
一つだと思います。

そもそも
自由とはなんでしょう。

この本では日本人の価値観としての
「自由」は西洋的な価値であり、
明治の近代化と共に輸入されたものである。
と定義しています。

「自分に都合の良いことだけで
責任を取らなくてよい気楽な状態」

を指していることが多いそうです。

ちょっとひどい?

以前
「自由とは?」

ときかれて

「空中に浮かんでいるボールのような状態」

と答えて
笑われたことが有ります。私は

自由になる事とはあらゆる束縛から
解放された状態だと思っています。

重力、肉体、言語すべてから
もしかしたら存在からも解放された
ポテンシャルがゼロの状態が
自由だと思っているので
自由になりたくありません。

良い束縛は維持したい
と思っています。

そこで

好ましい関係を「赤い鎖」

不快な関係を「黒い鎖」

と考えてみました。

多くの方々の望む「自由」というのは

「自分に好ましい関係を維持したまま
不都合な関係を断った状態」

こんな状態ではないかと思います。

赤い鎖でつながったまま黒い鎖を
切ってゆくと「自由」を感じるので
はないかと思うのです。

ところが

大抵は同じ人に「赤い鎖」と「黒い鎖」
両方がつながっているので「自由」
になれません。

赤い鎖を引っ張ってゆくと
黒い鎖は緩みます。

人の良いところを探すのは「自由」に
なる第一歩ではないでしょうか。

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感想いただけると嬉しいです
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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓