日本語の歴史3

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朝活読書 vol.140  2011年2月1日配信

『日本語の歴史』

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◆《1》今日の一言

◆《2》今日の一冊

◆《3》編集後記

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◆〈1〉今日の一言 #140
 
 「むばたま?」

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◆〈2〉今日の一冊

『日本語の歴史3』
言語芸術の花ひらく

平凡社
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平凡社 日本語の歴史全7巻の3巻目です。

この3巻では口語から書くための日本語が
できた経緯から、平仮名を使った文学
「枕草子」「源氏物語」や「竹取物語」
などの物語形式の「けり」止めの文章の
考察を行っています。

興味深いのは濁点のつけ方がどうして
今のようになったのは何故かという
ところです。

そもそも中国語だった漢字を書く際には
発音を表す・が書かれていました。

漢字ばかりで書かれた当時の文章を
画像で見ると漢字の周りに・が打ってあり
上げ下げなどの発音の指定がされていました。

発音表記の点を使用しなくなってから
清濁を指示する「 ゛」を右肩につけるように
なってきたという事が書かれています。

また「ハ行転呼音」の事についても
詳しく解説されています。

「はひふへほ」

「わゐうゑを」

「いうえ」

とも発音と表記が交錯した名残は現在でも
残っています。

「今日は」の「は」

「学校へ行く」の「へ」

日常的に使わなくなってしまった表記では

「香り」「かほり」の「ほ」

「うぐひす」の「ひ」

「行ふ」の「ふ」

など過去と現在の言葉を境目なく
読んだり書いたりする抵抗を
なくすのにお勧めです。

ぜひ読んでください。
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◆〈2〉編集後記

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今日もありがとうございます。
森澤勇司です。

昨日の編集後記の説明をしてほしいと
メールをいただきました。
分かりにくくてすみません。

解説させていただきます。

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飲み会帰りのAさんとBさんです。

A「1(ソバ)でも食っていくか」
B「そうしましょう」

お店で

A「2(五目焼きそば)」
B「3(麻婆麺)、、、やっぱり4(モヤシソバ)、
 ザルもいいかな、、やっぱり5(ザル)にします。アツで」

待っている間

A「こないだの6(蕎麦屋)はよかったよね」
B「7(天麩羅そば台抜き)してくれる
 店は減りましたよね。8(ザル)もよかったですね」

8種類のソバが登場します。
それぞれ

1(ソバ)
麺類くらいの意味

2(五目焼きそば)
中華めん

3(麻婆麺)
中華めん

4(モヤシソバ)
中華めん

5(ザル)
中華めん

6(蕎麦屋)
日本蕎麦を出す店

7(天麩羅そば台抜き)
蕎麦ぬきでお汁に天麩羅が入ったもの

8(ザル)
ざる蕎麦(日本蕎麦)

という事でそば粉の蕎麦を意味するのは
6,7,8です。

麻婆麺とモヤシソバは麺が一緒でも
呼び方が違うラーメンです。

5と8は同じ「ザル」でも
ラーメンと日本蕎麦で物が違います。

7は蕎麦だというのに蕎麦が入っていません。

会話の中の「ソバ」「ザル」が表すものは
多様です。

「冷」はお酒で「お冷」は水

など概念ごと覚えてゆくという
ジョアン・ロドリゲスさんの意見は
重要です。

日本語っておもしろいですね。

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

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姨捨
大原御幸
小原御幸
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大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
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(く)
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国栖

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九世戸
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鞍馬天狗
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黒塚

(け)
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絃上
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(こ)
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小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
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逆矛

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三笑

(し)
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俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
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猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
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善界
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是我意
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殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
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大般若
大仏供養
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第六天
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高砂
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忠信
忠度
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玉井
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(つ)
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(て)
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(と)
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唐船
東方朔
東北
道明寺

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知章

朝長
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鳥追
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難波
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(に)
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(ぬ)

(ね)
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(の)
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野守

(は)
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橋弁慶
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花筐
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(ひ)
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檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
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二人静

藤戸
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(ほ)
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枕慈童(カ
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(み)
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三輪
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(ら)

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(り)
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(ろ)
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