ら抜き言葉殺人事件
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あなたもできる!朝活読書。
vol.208 2011年4月10日配信
『ら抜き言葉殺人事件』
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▼《1》今日の一言
▼《2》今日の一冊
▼《3》編集後記
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▼〈1〉今日の一言 #208
「あなたにとってら抜きとは?」
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▼〈2〉今日の一冊
『ら抜き言葉殺人事件』
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著者 島田荘司さんは1948年生まれの
人気小説家です。
「ら抜き言葉」使用した作家を激しく
糾弾した女性と人気作家「因幡沼耕作」
をめぐる殺人事件謎解きミステリーです。
●この本を一言でいうと
「リセット」です。
●おすすめのポイント
推理小説という事も面白いですが
小説の中に用例や問題点が解説されているので
文法の専門書は頭が痛くなるという方でも
「こんなのもあるのか、、」と
言葉に興味を持つことが出来る一冊です。
国語の専門家ではないので文法上の用語は
知りませんでしたが随分あります。
「ら抜き」を指摘された小説家が
反論の手紙の中で使っている物です。
まず短縮語
「プロフェッショナル」→「プロ」
「高速道路」→「高速」
「い抜き」「が抜き」「れ抜き」「に抜き」
「さ抜き」
などの実例と現在に定着してしまった
誤用の例が紹介されています。
警察が犯罪を取り締まるように
国語教師は「ら抜き」言葉を
排除し美しい日本語を後世に伝えるのが使命と
いう件が有ります。
文法に興味が有るけど参考書は読みたくない
という方におすすめです。
●生活への活かし方
「ら抜き」言葉専門の本は少ないと思います。
どんな用法が問題になっているのかという事で
自分の使っている言葉の見直しができます。
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▼〈2〉編集後記
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
議論になっている語もよくないでしょうが
この「○抜き」というのもキレイな響きではないですね。
言葉というのも水のようなものではないかと思います。
鴨長明は「方丈記」の中でこう語っています。
「行く川のながれは絶えずして しかも本の水にあらず」
言葉も同じような気がします。
日頃から能の台本の謡本や江戸、明治期の
文字を見ていると活字がアルファベットに
見えてくる時があります。
日本語に比較的うるさめの友人が
誤字脱字を指摘してくれるとき
「訂正箇所あり!」
訂正すると
「OK )^o^(」
「!」「?」はもう日本語ですね。
これが日本語として違うなどと言い始めたら
良い人間関係は無いでしょうね。
直してくれる人もいなくなってしまいます。
顔文字を使う習慣はないのですが、
感謝してますから
「ありがとー(*^。^*)」
と返してみたら訂正されませんでした。
俗に言う正しい日本語はいつの時代のものなのか
疑問に思い日本語の本を読んでみましたが、
まあ「正誤」で判断するものではないですね。
「正誤」という感覚も突き詰めてみれば
好きか嫌いかという問題ではないでしょうか。
「方丈記」がいい文章だなと思えば暗誦して
みれば良いような程度のものです。
「行く川のながれは絶えずして しかも本の水にあらず」
能「養老」の中にも引用されています。
きれいな水が流れているような文章で浄化されました。
きれいな水が健康をつくるように
キレイな言葉が良い思考を
作るのではないでしょうか。
「あなたにとってら抜きとはなんですか?」
非常に文法にうるさかった福田恆存さんの
事を思い出しました。
http://ameblo.jp/yu-o-mo/entry-10805038924.html
◆宝生会「藤栄」に出演します。
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