【おじいちゃんの口笛】ウルフ・スタルク 著
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毎日1分!朝活読書。
vol.292 2011年7月3日配信
『おじいちゃんの口笛』
アンナ・スタルク 著
アンナ・ヘングルド 絵
菱木 晃子 訳
ほるぶ出版
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「たこをあげてみない?
きょうは、とってもいい風がふいているよ」
本文より
▼「時間を忘れてしていることは?」
語り部の「ぼく」の視点から
友達のベッラと老人ホームで余生を
過ごすニルスさんとの出会いから別れまでを
描いた絵本です。
「ぼく」のおじいちゃんの話を聞いて
羨ましく思ったベッラは、
老人ホームで余生を過ごすニルスさんに
「あなたの孫です」と押しかけてゆきます。
初めて会うベッラをニルスさんは
受け入れ「私の孫です」と宣言し物語は
展開してゆきます。
死というをテーマを扱った絵本ですが
なにか子どものころの淡い記憶のような
親戚がなくなったときの悲しさよりも
楽しい思い出が再現される感覚のような
そんな雰囲気の絵本です。
ぜひ読んでください。
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▼編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
7月2日、3日と練馬区の「ブレヒトの芝居小屋」で
「おじいちゃんの口笛」が上演されます。
13年間100回以上、上演されたそうです。
入江洋佑と翻訳者の菱木晃子さんの
対談を聞きました。
芸術作品と日本語のお話が中心でしたが、
日頃考えている事と通じるところがあり
共感するところの多いお話でした。
それ以外で新鮮だったのは
外国語の絵本を訳すときに
「女の子」の言葉は難しいというお話でした。
男の子は「ぼく」「おれ」「おいら」
など一人称選びに苦労はしないそうです。
「女の子」となると日本語では
女の子らしい言葉ばかりではなく
男の子の真似をしていたり、
ちょっと乱暴な言葉づかいを
わざとしていることがあります。
このような雰囲気を
そのまま文章にすると、ただ乱暴なだけに
なってしまいがちだそうです。
この「女の子」の雰囲気を伝えるのは
気を使うということでした。
このお二人にはご自身の仕事を
非常に楽しんでいるという共通点を感じました。
やり始めると時間を忘れて没頭してしまう事を
職業にしているのは
幸せだと語っていたのが印象的でした。
同世代でもゲームで徹夜してしまったという
話を聞くことが有ります。
彼らに共通しているのは翌朝
「またやっちゃった」と
後悔している点です。
職業にしていることが好きで
寝られなくなってしまうほど
楽しかったら人生そのものが
楽しいですよね。
「時間を忘れてしていることありますか?」
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