安倍晴明と人間の運命【鉄輪】
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鉄輪の物語は別記するものを参照していただき、今回は安倍晴明が物語に登場する男の寿命を宣告した実際は何をもとにしていたのかということについて記します。
さて本日は安倍晴明の登場する「鉄輪」の二十八宿の記述についてです。
下京に住んでいる男が体調不良で安倍晴明を訪問する場面です。
七星、九曜、二十八宿となっているのが九星、七曜のほうがしっくりきますが、、、
能は戯曲ですから、細かい真偽よりもこの時代に天体をみて何かを判断することがあったのだということは能以外の文献にも奥残されていいます。
「宿曜二十八宿秘密奥義伝」もそうした伝承を解説したものの一つです。
1910年に出版され2008年に改定されて出版された本です。
さまざまな鑑定方法の中には命の長さを判断するものもあります。
「観命の長短並生死期秘伝」と言うのもあり能「鉄輪」の中で命が今宵限りというのも実際に宣言できる根拠があるように感じられました。
ところが何かちょっと引っかかるところがありました。
能楽は全般にそうですが、何か宣言する時には殆どの場合、理由もともにからっている場合が多いです。
「女の恨みを深く蒙りたる人にて候。殊に今夜のうちに御命も危うく見え給ひて候」
女の恨みを深く被る、、、ただこれが理由で命が危なくなる人はどんな人なのか脳に問を入れてしばし瞑想してみました。
そして10分後、、二十八宿の特徴を読み進めてみることにしました。
そうすると「箕宿」に当たる人は女性問題は致命傷だということが見えてきました。
ついでに九星では七赤金星は女性問題はダメですね。
この本によると二十八宿と「牛宿」をひとつ減らした二十七宿があり自分の宿命は二十七宿を基準にすることがいまでは一般的なようです。
そうしてみると安倍晴明のところにゆき、誕生日を伝えてみる
箕宿、七赤金星、、これはもしかして女性問題では、、ということは非常にわかりやすく導き出されます。
それを男に訪ねてみると「最近、新しい妻を迎えました」という話になり、鉄輪の物語が非常にスッキリ理解できます。
実際の天体の動きと暦の動きは違うそうなので、900年代後半だったら計算方法を知っているだけでも秘術と言えたかもしれませんね。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1189929076
ここでまた新たな疑問が湧いてきました。
この二十七宿と実際の天体は一致しているのかということです。
この二十八宿、二十七宿ができた時代から暦は随分変わっていますし、暦と地球の自転がずれてしまったときの無理矢理な修正方法もあり明治時代の時刻法の改正で現代の日本の暦は天体とは全く関係のないものになっています。
平安時代はまだ空を見上げて月がカレンダーの変わりですから、安倍晴明に命の終わりを告げられるこの男の運命が現代だとどのくらい違うものなのか天文ソフトでシュミレーションしてみました。
身近な箕宿、七赤金星の人をサンプルにしていました。
実際の箕宿は北斗七星の水を汲む部分の少し上にあるりゅう座のあたりになります。
計算で箕宿のひとの誕生日を天文ソフトで作ってみました。
そうすると実際の月の位置は「心宿」でした。
蠍座の心臓アンタレスのところに月があります。
中国星座表でも蠍座の心臓あたる位置に「心宿」があります。
計算で出した二十七宿、九星の七赤金星、実際の月の位置この3つを総合するとこんな人間像が浮かび上がってきました。
神仏を敬う生活をする、色恋、酒女で身を滅ぼす。
この星回りだったら、、、安倍晴明が宣告した理由も納得できます。
能の物語というのはよくよく読んでみると、ほんとに緻密に作られているものですね。
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