人間の寿命6千歳とトロイの遺跡【白鬚】

琵琶湖の中の鳥居が美しい白髭神社を舞台にした「白鬚」という曲があります。

あまり上演されない曲です。

人間の寿命が100歳の時、ブッダがこの世に誕生し日本にやってきます。

そこで釣りをしている主らしき老人に、ブッダが仏法の聖地にしたいというとその老人は人間の寿命6千歳のときからここに住んでいて釣りができなくなるからダメ。と断ります。

その後に薬師如来があらわれ、釣りをしている老人は自分のことは知らない、自分は人間の寿命が2万歳の時からここに住んでいる、仏法の聖地とすることを約束しその後500年、仏法を守ろうといってそのまま二人は西と東に分かれていった。そして釣りをする老人は白鬚の神だったっというような記述があります。

その中で釣りをしている老人が語る人の寿命が6千歳だった時、琵琶湖は7回、芦原になったと語る場面があります。

このあたりを発掘したらほんとに7層の文明が出てくるのか、ただ干からびては水が戻りを7回繰り返したのか想像は膨らみます。

そんな想像をしているとシュリーマンの古代への情熱というのも共通しているような気がしてきました。

トロイまで7層の文明の跡があったと言うことらしいですが、、、

 

人間が2万歳生きたいと思っていた、または2万歳生きられると信じていた時代。ピラミッドのミイラなども永遠の命のためにミイラにしているという説もあります。魂の寿命というか精神を重んじていたような時代。
そして寿命6千年の時代、これはよくわかりませんが家とか一族とか国とか、集団が存続できたらいいと思っていた時代というのがいま頭に浮かんでいます。これはしばらくすると変わるかもしれません。
そして人間の寿命100歳、個人の希望、100歳生きられたらいいなという物質や肉体の時代、そこにブッダが現れる。物質の欲に流れている時代だから薬師如来が現れブッダとともに500年仏法の聖地とすることを約束する。それがまた白鬚の神とも会話をしているという現代の人間の寿命で測れば荒唐無稽なファンタジーです。
自分自身の物質への欲、一族の繁栄、それよりも魂の浄化という目指す目的の長さの変化と捉えれば現代でもそれほど不思議な話ではありません。
また実際に2万歳の時代があり、6千歳の時代には琵琶湖は7回芦原になり、寿命100歳になったのだと信じれば琵琶湖の地層を調べてみたいと本気で思う人がいてもいいですね。
不思議な伝承は以外にホントのことが語られているようにも感じます。
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この記事を書いた人

森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 1500番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される