日本書紀完読に向けて10週目能「土蜘蛛」と「小鍛治」の世界
文庫で2巻目 垂仁天皇から景行天皇へ
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今週は能「土蜘蛛」でかたられる土蜘蛛、能「小鍛治」で語られる景行天皇の時代の日本武尊の物語がありなじみのある部分だった。
思いのほか土蜘蛛に種類も数も多く度々登場するところが異民族排除の歴史を感じさせる。
能「土蜘蛛」では土蜘蛛の精はシテ一人で演じるので単数のイメージが強い。しかしかなりの大群でリーダーも複数いることがイメージできた。
白人のインディアン排除は全滅には至らないが、日本の場合は痕跡もなく全滅させてしまうところはすさまじい。
縁戚関係にある源氏平家の戦いとちがい異民族間の戦は凄惨な物だったと思う。
また垂仁天皇とソロモン王の共通点を語った本を読んだところだったので興味深い部分だった。
東宝映画1000本記念の「日本誕生」も日本武尊を描いた物なので日本では垂仁天皇の印象は薄いが、そういう所こそ読み込む価値があると思った。
日本書紀に限らず日本神話の映画はあまり検索しても出てこない。もっとたくさんあってもよそそうだが、神話というのは映像でイメージが固定化してしまうと全部SFになってしまうので大昔のように語りをきいて伝承されるのがいいのかと思う。
これは日本書紀に限らず、目立つところのそばには注目すべき場所がある物で昨今のワイドショーでも目立つニュースの周辺には重要な事柄が散見している。
歴史でも何でも嘘ではなくても重要と感じるところは人それぞれ。本人が話したくない事を周りの人は知りたいというギャップは珍しいことではない。
ここまでよんで
今週も自分のペースで進められた。地道に日課にしていくと予定通りとはいえかなりのペースで読める。好きなところを開いて一生通読できないという事もそれはそれでいいと思うが、日本に生まれて本も持っていて、全部読まないというのはなにかうな重でウナギを一枚だけ食べるような変な感じがする。
端っこからお行儀良く読んでいくのも自分をしつけなおしているようで面白い感覚になる。厳しくギャーギャー騒ぐ子どもを首根っこ捕まえて読ませるような我慢はなく。
次の日読むのが楽しみになっているほどなのでいい感じに進められる。グループでしているので日本書紀は毎日定量読むことにしているが、そこしか読んではいけないという決まりはないのであまり進まない程度には読み進めている。
学生の時に夏休みの宿題が最後の方までやらなかったのに、このところは今日できることは今日やっておくことが心の安定になっている。
明日にしようと思ったら、もう今生ではやらないかもしれないという事も受け入れるくらいの負担を感じるようになった。
学生の時にこんな感じだったら新学期一週間くらいで教科書全部の予習が出来たかもしれない。人間はあるときにオセロがひっくり返るように変わるのか??元に戻るのか、、10年前とは全く感覚が変わってきた。
そしてだいぶ変わった感覚といえば、少し前は通読が大変そうな本も一気に入手して少しずつ読んで結局通読できないという物がたまっていた。
「エッセンシャル思考」の通り今年は「日本書紀」と決めてしまえば、他の物はたまに見る位でも通読しないと決めているので精神負担は全くない。
日々本を読んでいる副産物は、普通に本を読む速度が速くなることです。今回、日本書紀は「音読一回」はする決まりにしたので知らない言葉も口が動きやすくなってきた。知っている言葉はだいぶスムーズに読める。時分の声を直接聞くことは出来ないが、たまに音声入力を使って確認してみると調子の良いとき悪いときの目安になる。
次回は「型」というパターンと「間」というタイミングの事をとりとめもなく綴ってみようと思う。
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