日本書紀完読に向けて9週目迷いの先に死が待っている【日本書紀9】
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今週は内容も運営も含め「決めたことしか成されない」ということが再確認できた。逆に言えば「決めないことはできない」
「やる」と決めるのか「どうしようかな」とずるずるしているのか。迷った最後は死ぬ。
兄と天皇の狭間に入り、両方を捨てられずに結果、兄も自分も死ぬ。
美しい容姿のものが悲劇を演じれば美談になるが、生きる知恵のある話ではない。
この時代の物語を現代の感覚で読むとジレンマに陥った美談になる。しかし能「求塚」でも語られるように決めないことに対しての罰は重い。
また決めない人はいつも悩みの世界にいる。
ここを読んでも決めないことに恐怖心を抱かないとしたら、それこそがその人の受けている罰の世界だと思った。
皇后は兄を裏切ることも天皇を殺すこともどちらにも決めかねていた。
実は最大の罪はこの決めないという所にある。
時代によって違う現象の奥にあるものを見ていきたいと強く感じた。
古事記を読んでいる方は相撲のルーツはタケミナカタの伝説だというが、日本書紀ではノミノスクネの伝説として語られている。
またこのノミノスクネが、殉死する人たちの代替え案として埴輪を提示する人物として描かれていることも面白かった。
またやヤマトヒメが伊勢をまつるときに内宮の場所が度会と呼ばれていることが興味深かった。
「やる」と決める以外はすべて自動的に「やらない」に分類されてしまう逸話として自分の日常をみなおす教訓になった。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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