ケジメのない日本語
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あなたもできる!朝活読書
vol.154 2011年2月15日配信
『ケジメのない日本語?』
http://ameblo.jp/yu-o-mo/
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◆《1》今日の一言
◆《2》今日の一冊
◆《3》編集後記
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◆〈1〉今日の一言 #154
「結果は?」
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◆〈2〉今日の一冊
『ケジメのない日本語?』
景山太郎 著
岩波書店
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著者 景山太郎さんは1949年神戸生まれ。
関西大学文学部教授です。(2002発刊当時)
「わたし的には~」「気があるっぽいよ」
などのぼかし表現はしばしば批判の対象になっています。
しかし語尾の処理の仕方の研究ではなく
日本語の性格からすると自然な表現方法だと
いうことを外国語の表現と比較し分析した
一冊です。
最初の例は生と死のケジメの話題です。
少年はおぼれたが、助かった。
The boy drowned in the lake,but he was saved.
水でもがく
おぼれる======= ———-
drown======================
英語では命を失うところまで含んでいるが
日本語ではそれはないと解説しています。
あとに「しかし助かった。」を付けると
英語では奇妙な表現になってしまいます。
その他、物を動かす、歩く、走るなどの
移動の表現も英語では到着まで含んでいる
表現になります。
対して日本語では結果はどうなったか
わかりません。
「~に歩く」 向かっている
「walk to~」到着
といった言葉の違いの例が豊富に紹介されています。
○He pushed the wheelchair.
○彼は車いすを押した。
何の変りもないような二つの例文に
到着点をつけると事情は一変します。
○He pushed the weelchair to the hospital.
○彼は車いすを病院に押した。
日本語では何をしたのかよくわからない文章になってしまいます。
「押していった。」「病院まで押して行った。」というように「行った」という動詞を補わなければ意味が通じません。
「カレーライス」と「ライスカレー」
「食パン」と「パン食」では意味のちがいや
酒を一升のんだ。→ 深酒を一升のんだ。
たまに、深酒をする。→ たまに、酒をする。
おにぎり → にぎり
おはじき → はじき
無作法な人 → 作法な人
無神経な人 → 神経な人
など「お」や「不」「無」の不思議など
普段意識しないような事柄が満載です。
英語を勉強している方、「ケジメをつけろ」
などと言ったり言われたりしている方、
日本語のケジメのつけ方再確認しませんか。
ぜひ読んでください。
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◆〈2〉編集後記
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今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
この本の「はじめに」に書いてある
著者が気になる日本語
「わたし的~」「~っぽい」
「ゲームっぽい遺跡」「ダメっぽい」
これらの言葉について
「年配の人にとっては、ほとんど訳の分からない言葉だろう」と語っています。
本当にそうなのかなと思って考えてみました。
1「バッハっぽい曲」2「中学生っぽい服」
この二つを例にしてみると
1は「バッハの楽曲ににている感じの曲」
2は「中学生がよくきているような服」
という意味になると思います。
「っぽい」を「らしい」と置き換えてみると
3「バッハらしい曲」4「中学生らしい服」
3は「作曲者はバッハと思えるバッハの曲」
4はちょっと意味不明ですね。
「中学生らしい服装」として
4「中学生にふさわしい服装」
「~っぽい」というのは「~らしい」とは意味が違うようです。
「ふさわしい」「~のように見える」
「あの人らしい」仮病などの「~らしい」
「それっぽく」このあたりから「~っぽい」
言語の組み立て方は英語的かもしれませんね。
言葉は日本語、、、、ローマ字思考!
この名前でどうでしょうか「ローマ字思考」
キーボードがローマ字入力の方
気が付かないうちに「ローマ字思考」
になっているかもしれませんね!
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ケジメのない日本語 (もっと知りたい!日本語)/影山 太郎
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