二重言語国家・日本
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あなたもできる!朝活読書。
vol.191 2011年3月24日配信
『二重言語国家・日本』
http://ameblo.jp/yu-o-mo/
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▼《1》今日の一言
▼《2》今日の一冊
▼《3》編集後記
▼〈1〉今日の一言 #191
「あなたにとって聞くとは?」
▼〈2〉今日の一冊
『二重言語国家・日本』
石川 九楊 著
NHK ブックス
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著者 石川九楊さんは1945年生まれの
書家、作家です。
なぜ日本人は「日本人とは」「日本文化とは」
と問うのか。
日本文化という言葉には親近感と同時に
嫌悪感があるのではないかと著者は
問いかけます。
日本人は日本語に対して奥歯に物が
挟まったような変な感じを持っている
のではないでしょうか。
日本語は二重言語だと著者は語ります。
中国漢字と和語が交錯し漢語の言葉を
テニヲハなどの接続詞が支える構造に
なっています。
普段使っているこの二重言語から
日本人のもたれ合いの精神構造が
構築されていると説かれています。
「私は」は「私」の活用形でないかという
考え方も興味深い点です。
方言のアクセントやイントネーションの
中に言語学者の気が付かない音韻の
秘密が有るのではないかという
考察もなされています。
「ワシャ」「ワシラ」などの一人称の呼びたを
例にして詳しく解説されています。
また文法とは「文」を書くための法であって
会話の中にはこれは当てはまらないという
主張もあります。
「早くいったら、学校」という言い方や
「静岡のおばさん、元気だった?
お土産渡してくれた?」
というような会話は文法にそった
語順ではありません。
また日本語は「見る」言葉であり
話し言葉の先にはいつも感じが存在し
それを説明しながら会話をしています。
「川」を「さんぼんがわ」とか
「森」を「木みっつの森」などです。
欧米の聞く文化に対して日本は
見る文化です。
漢字の一角一角がアルファベットの
abcに当たるという考え方は
漢字の画数ではなくスペリング
なのだという考え方は新鮮でした。
日本語にちょっとした気持ち悪さを
感じている方におすすめです。
「国語」を大切にしろと主張
している方は反論の対策のためにも
おすすめします。
ぜひ読んでください。
▼〈2〉編集後記
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
日本語はやはり読んでみないと
わからないところが多いですね。
「糸をピンと張る」
「ポスターを貼る」
「はる」だけ聞いたらどちらか
わからないばかりか
「春」や「晴」まで出てきてしまいます。
書くもそうですね。
話し言葉も漢字が入ってきたころは
外国語といえば中国語だったことからすると
近い将来の日本語は欧米の言葉をテニヲハが
支える形になるのではないかと予想しています。
「我々ジャパンのプレイはグットでした。」
「私のペットはドックです。」
「今日のブックはストライクだな」
「リターンしなくてストレートに帰って」
読む文化から聞く文化へ少し移動するので
人の話をよく聞ける人が
増えてくるかもしれませんね。
「あなたにとって聞くとはどんな事でしょう?」
古典の壁をなくしたい方におすすめです。
http://ameblo.jp/kotsudzumi/entry-10836773647.html
▼おまけ
http://morisawa.cart.fc2.com/
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