【和算の歴史】平山 諦 著
vol.290 2011年7月1日配信
『和算の歴史』
平山 諦 著
ちくま学術文庫
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「明治維新のとき日本在来の数学を廃して、
西洋数学によって教育すべきことが決定された。
この頃から日本在来の数学を
和算と呼ぶようになった。」
本文より
▼「数学好きですか?」
明治時代に西洋の数学が入ってくる以前の
日本の算術を紹介した本です。
図や実例が豊富に掲載されています。
源氏香や八方陣に興味がある方には
特におすすめです。
江戸期に発行された和算関連の書籍紹介も
有るので深く研究したい方のガイドブックにも
なると思います。
扇や建物のデザインに使われている
考え方や計算方法は数学の分かる方には
より楽しめるとおもいます。
香道や和歌を
嗜んでいる方にもおすすめです。
ぜひ読んでください。
_____
▼編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
この本の中では問題や図は多いものの
公式や数字はほぼ今の数学で使う
アラビア数字で書かれています。
実際の本にはどう表記されていたのか
興味はありますが、これはもっと
深い勉強ですね。
和算の古書は文学以上に、
マニアックな印象があると思います。
何しろ墨で書かれた字を読めると同時に
数学の素養がないと読むことが出来ません。
江戸時代の謡本を読むことが有りますが、
これは文字をスラスラ読んでいるのとは
違います。
今の謡の文章を覚えているので
予想しながら読んでいます。
和算の本が目の前に出てきたら
内容を理解するのはちょっとハードルが
高いですね。
この本の中でちょっと驚いたのは
江戸時代にもう数学の通信教育が
あったということです。
飛脚が運んで手紙でやり
取りして学ぶ方法です。
単純な円ばかりを並べた、
うちわや扇のデザインにも
和算は使われていたようで、
全てが内接した丸が書けることの
証明という記事がありました。
これから多く目にするうちわや浴衣の
デザインも気にしてみると面白そうですね。
「数学好きですか?」
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