【古武術・剣術がわかる事典】牧 秀彦 著
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毎日1分!朝活読書。
vol.303 2011年7月14日配信
『古武術・剣術がわかる事典』
牧 秀彦 著
技術評論社
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『争いを好まない反面、ひとたび必要となれば
徹底して闘い抜く。対極の二面性を
包含しているからこそ、わが国の武術は武道と
名を替え、平和な時代にあっても古と変わらぬ
輝きを放っている。』
本文より
▼「後継者はいますか?」
古墳時代からの武術についても触れてありますが、
メインは刀を使っての戦闘が行われた
時代の流儀の派生や、その流儀特有の
必殺技や構えなど具体的な研究が
イラスト入りで解説されています。
関東七流、京八流という古い流儀から
柳生新陰流、天真正伝香取神道流、
示現流、二天一流など
時代ごとにまとめられ創始者や
実際に使った人物、修行の形態や
免状制度など歴史の教科書には
出ていない具体的なお話が満載です。
興味深いのはこの本での
「達人」についての考察です。
「必ずしも目に見える強さを発揮した
者ばかりが達人とは限らないことだ。」
と著者は語っています。
「語り草となった武勇伝を置き土産に、
死に果ててしまうからである。」
武蔵坊弁慶、源義経、、、
どれほど強くても伝説の域をでない、、、
「個人で強く、そして多くの門弟を
育て上げたものこそが達人と呼ぶに値する」
こうしたものが達人であると著者は定義しています。
いろいろな流儀や技の面だけではなく、
達人、名人、職人などの言葉の違いを
考えながら読んでみると自分の仕事にも
置き換えられて面白そうです。
ぜひ読んでください。
_____
▼編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
二天一流の章に宮本武蔵のイラストが
出ていますが、何度見ても能の太鼓の構えと
似ています。
こういう武術系の本を読むと
どうしても「北斗の拳」の登場人物も
いっしょに頭に浮かんできてしまうのですが、
個人で強くて伝説をつくった人物は、
数多く登場しますが、この本でいう達人
というと該当者が思い浮かびません。
ケンシロウも後継者を作らないとすると
宗家の義務違反かもしれませんよね。
伝説になりそうな名人、
職人は思いつきますが、
やはり達人というのは
その上の存在なのかもしれませんね。
「後継者はいますか?」
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