六韜、文韜、第九、上賢
目次
国を統治するにあたって人材の登用について
▼誰を上に、誰を下に、誰を取り、誰をさらしめるか
◆法令で禁止することは何か。
太公望の答え
▼
①賢者を上にする
②不肖者を下にする
③誠心誠意の士を重用する
④詐欺の徒を追放する
◆
①乱暴を禁止する
②贅沢をやめさせる
君主が注意すべき六賊、七害がある
六賊とはなにか
①臣下で広大な庭園を作り歌舞にうつつを抜かしているもの
→民衆の感情を害し王の徳を傷つける
②民衆の中に農蚕につとめず、ヤクザのまねをして法律を犯し公務員に反抗するもの
→王の徳を傷つける
③臣下のうち派閥を作り、賢人地者を排除するもの
→君主の明智を塞ぎ、王の徳を傷つける
④部下の中に自分の主義主張をかかげて、外国の利益のために働くもの
→王の権威が損なわれる
⑤臣下で爵位を軽く見る、官職をさげすむもの
→功臣の苦労を傷つける
⑥一族の力の強いものが貧弱なものを脅す、陵辱する
→庶民の仕事がうまくいかなくなる
七害とは
①知恵も策謀もないものに過分の褒美と高位をあたえることから、野蛮な人間を集めて無謀な戦争に喜びを得ようとするもの
→絶対に将軍にしてはいけない
②評判は高いが実力がない、コロコロと意見を変える、人の善事を話題にせず、悪事を話題にし、自分の出世を巧みにするもの
→国王は絶対に相談してはいけない
③我が身を質素、純朴そうに見せかけ粗末な衣服を着、無為無欲を語るが実は名誉や利益を求めているもの
→くわせもの、国王は近づけてはいけない
④冠や帯を奇抜にして飾り立て、目立ちたがり、むやみに学識をひけらかし、空論を戦わせて外面を飾り閑静なところに引きこもって「今の世は」などど、時代や時流の風俗を避難しているもの
→姦人の徒である。間違っても寵愛してはいけない。
⑤告げ口の好きな人間、君主の気にいるようにして官位をもとめ、俸禄を要求し、計画全体を無視して小利を貪り、ちょっと聞くと高尚のようだが実は空虚の議論を君主に持ちかけてくるようなもの
→絶対に登用してはいけない
⑥持ち物の装飾を豪華さにこだわるもの
→農業を軽んずるので禁止する
⑦怪しげな方術、珍奇な技芸をするもの、邪道に人を惑わす巫女、不吉な予言で一般の人を幻惑するもの
→直ちに禁止する
国民とは
◆民とはそれぞれの生業に力を尽くしているもの
◆士とは誠信であるもの
◆臣下とは忠節をつくし諫言をする
◆官史とは人を愛するもの
◆宰相とは
①国を富ませ、
②兵を強くし、
③天地の陰陽を調和させ、天災が起きないようにする
④天子を安心させ
⑤群臣を正しくし
⑥賞罰をはっきりさせ
⑦評判と実力がふさわしく
⑧万民を安楽にさせるもの
◆王とは
①龍のように高いところから遠くまで見通すように広範囲に見る
②深く見抜く
③些細な事も聞き分け
④態度に威厳があり
⑤内心は天が高くて見ることができないくらい高く
⑥淵が深くはかることができないように知ることができない
⑦怒るべきときに怒る→奸臣がはびこらないように
⑧殺すべきときに殺す→大逆賊が出ないようにする
⑨兵を出すときに出す→敵国が強くなるのを防ぐ
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