いざ鎌倉【鉢木】

おはようございます!
能楽師 森澤 勇司です。

心にしみる能の言葉を
厳選してお届けします。

「はじめ笑いし輩も、これ程のご気色さぞ羨ましかるらん」鉢木よ

大雪の日、旅人が立ち寄った家は
落ちぶれた武士 佐野の源左衛門夫婦の家でした。

なにもなく、もてなすことのできない
源左衛門は大切にしていた鉢の木、
梅、桜、松を
惜しげもなく薪にして
旅人をもてなします。

しばらくして鎌倉から武士の召集がかかります。

やせ衰えた馬とさびた槍をもって
鎌倉に登った源左衛門は一番に駆けつけます。

そして再会した雪の日の旅人は
北条時頼でした。

雪の日の返礼に拝領したのは
梅田、桜井、松井田という3つの土地でした。

ぼろぼろの格好をした源左衛門を
笑っていた他の大名たちはあまりの
褒美の大きさに羨ましさを隠せませんでした。

「いざ鎌倉」の語源になった
佐野の源左衛門常世の物語です。

人生の最後をよく生きられるのは

◆日頃の行いです。

本日も素晴らしい1日をお過ごしください。

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この記事を書いた人

森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 1500番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される